【１】刑法結果無価値論徹底解析講座講義カセット全16巻。東京都立大学教授：前田雅英先生 辰巳法律研究所。
（１）刑法学の理論的地平を、人類が誰も到達し得なかった極限まで推し進めた超天才：前田雅英先生が、その冴えわたる講義テクニックの全力で注ぎ込み完成させた講義カセットです。
前田理論からほとばしるインスピレーションは、大銀河の最果てにある終着駅の更にその先をも眺望する千里眼の如き先見の明に溢れています。
千変万化する時代の変遷にも微動だにしない普遍性を有し、向こう１００年間、刑事実務を指導する理論的礎となるのは間違いありません。
そして、先生の刑法哲学を余す所なく投影させた本講義カセットは、刑法学の遥かな高みを踏破せんと志すあなたにとって、最良のパートナーになるはずです！！
（２）旧司法試験当時、先生自ら執筆した「刑法総論・各論講義」は、刑法攻略のためのバイブルとして、受験生の圧倒的な支持を得ました。
しかし、この教科書が非常に多くの受験生に読み継がれた反面、前田理論を正しく理解出来た人はごく少数に留まりました。
一体、何故でしょうか？
（３）前田理論最大の特徴は、違法性の本質を客観的な法益侵害及びその危殆化と把握する結果無価値論に依っている点です。
しかし、前田説が採用する結論は、理念型としての結果無価値論から演繹されるそれとは異なっている点が多くあります。
この点を深く考えず、あるいは疑問と感じる事すらなく、ただ教科書の記述をそっくり丸暗記しても、前田説の本質に迫る事は出来ません。
そびえ立つ堅固な理論的牙城の前に、無惨な敗北を喫することでしょう。
（４）例えば、共犯の処罰根拠という論点に関して、前田説は修正惹起説と呼ばれる考え方を採ります。
これは、教唆犯や幇助犯として処罰されるためには、法益侵害結果に対して因果力を及ぼした事に加え、構成要件に該当する正犯行為の介在を必須と考える説です。
しかし、刑法を裁判規範と捉え、裁判の時点で明らかになった全証拠を基に、結果から遡って犯罪行為を確定する結果無価値論を徹底すれば、本来は、別の考え方が演繹されるはずです。
つまり、教唆犯や幇助犯という狭義の共犯と、犯罪の主役たる正犯とは、犯罪を実現する方法のパターンが違うだけの、本質的には同じ物であり、よって、結果に対する因果関係が認められれば正犯の介在がなくても共犯として処罰可能とする説（純粋惹起説と呼ばれる）です。
現に、滝川幸辰説を源流に持ち、結果無価値論の徹底を国是とする関西刑法学派は、共犯の処罰根拠に関して純粋惹起説を正統の教義と考えます。
前田説が採る修正惹起説の根拠は、「正犯が存在しない共犯」は認めるべきではない、そして、そのように解するのが社会の一般常識に適うという点です。
しかし、社会常識に適うか否かという視座は、団藤説に代表される定型刑法に特有の発想であり、結果無価値論とは親和性を持ちません。
構成要件の実質化を掲げ、定型刑法との対決を鮮明に打ち出す前田説が、何故、修正惹起説を採用するのか非常に疑問です。
（５）同様の例は、他にもあります。
例えば、不能犯の判断基準という論点に関し、前田説は、修正された客観的危険説という考え方を採ります。
これは、未遂犯と不能犯を識別する「危険性」は、行為時点に存在した客観的資料を基に、あくまで行為の時点に立った事前の予測判断に依るべしと考える説です。
前田先生は、この点の説明として、天気図を基に行う天気予報のような物という、巧みな比喩を用いられます。
しかし、（４）で述べた通り、刑法をあくまで裁判規範と捉える結果無価値論に依れば、法益侵害惹起の危険性という「結果」の有無は、裁判時点で明らかになった全証拠（行為時点で予測し得なかった証拠も含めて）を基に判断されなければならないはずです。
裁判の時点から過去の行為を振り返る事後的な判断こそが、結果無価値論からの論理的帰結になるからです。
行為時点を基準にした危険性判断は、本来、刑法を行為規範と捉える行為無価値論に特有の発想のはずなのに、結果無価値論に立つ前田説が事前判断を採用するのか疑問です。
（６）、（４）と（５）で挙げた例の他にも、同様の論点はいくつも存在します。
前田理論は、未遂犯においてすら、故意を主観的違法要素とは認めない等、徹底した結果無価値論に依っています。
にもかかわらず、前田理論が採用する個別の結論は、団藤刑法や行為無価値論に親和的な物が多いのは何故なのか？
逆に言うと、前田理論を解明する作業とは、結果無価値論に立ちながら、尚、行為無価値的結論を採用し得る根拠を明らかにする事に尽きるのです。
この点、理念型としての結果無価値論に一番近いのは、関西刑法学派の理論だと思います。
しかし、法曹実務家を目指す方の多くは、東京学派流の結果無価値論を勉強しているはずです。
結果無価値論の一番主流をマスターするには、上記の問題意識に沿った刑法学習を実践しなければなりません。
（７）しかし、刑法学に精通しない初学者が独力でそれを行うのは、海図や羅針盤なしに海に出るようなものです。
道を見失い、波頭に呑まれて、海の藻屑になり果てるリスクがあまりに大きいです。
目的地に間違いなく到達するためには、海図など必要な物を全て取り揃え、更に、有能な航海士にガイドをしてもらうのがベストです。
この場合、前田先生ご自身が執筆した判例集や、演習書は、目的地到達のための海図、羅針盤として非常に有益です。
しかし、書物という表現形式による場合、理路整然とした文章に整えなくてはならない、文字に起こす場合は微妙なニュアンスを細部に至るまで伝えにくい等、現実的な制約を否応なく伴います。
また、自分の考え方の全貌をくまなく論述すると、刑法を専攻する他の専門家から重箱の隅みをつつかれたり、ヘイトまがいの批判に晒されるリスクも伴います。
この点、講義形式を採用し、相手に直接語って聴かせるやり方に依れば、余計な雑念や種々な大人の事情に捕らわれず、ざっくばらんに本音を伝える事が出来ます。
やはり、理論をマスターするためには、その理論の提唱者本人の講義を聴くのが一番効果的なやり方と言えます。
理論を提唱している本人自らが航海士として水先案内をしてくれるなら、これ以上に心強い事はありません。
（８）ここで紹介している、前田先生の講義は、心から素晴らしいと感動出来る数少ない傑作の一つです！
先生は、初学者が一歩、一歩階段を登るように、刑法理論を着実に習得出来るよう、入念な配慮を施して講義を進められます。
言葉の一つ一つが完璧な計算に裏打ちされているため、講義を順番に前から聴き進めれば、学問の最先端に迫る高度な次元へ無理なく到達出来るよう設計されいます。
教科書の記述から読み取るのが難しい行間を丁寧に埋めてくださるので、喉に刺さった骨のように不快な疑問点がみるみる解消されてゆきます。
しかも、本講義は、事例演習式を採用しているため、抽象的なレベルで議論しているだけでは絶対に習得出来ない、実戦的な応用力が身に付きます。
また、受講生の知的好奇心をそそる興味深い話題が多く盛り込まれているので、何度聴いても飽きが来きません。
法科大学院に入る前に刑法理論の高みを踏破しておきたいと考える方、特に、結果無価値論を極めたいと考える方には、是非、この講義を手に取って頂きたいと思います。
※補足説明※・【１】商品の正式タイトルは、「事例演習 刑法の重要問題講義カセット全16巻」です。・【１】商品には、写真４と５に写っている冊子計２冊が付属します。それぞれ、問題と模範解答を収めています。・【１】本講義が、高次元の結果無価値論を初学者にも非常に分かりやすく伝えているため、あえて「結果無価値論徹底解析講座 講義カセット」と銘打たせて頂きました。

【２】日曜答連 大学教授解説講義カセット全24巻 憲法 民法 刑法 平成18年合格目標 辰巳法律研究所。
憲法(基本的人権)２巻 上智大学:矢島基美 憲法(統治機構)２巻 首都大学東京:宍戸常寿 憲法(全体)２巻 成蹊大学:安念潤司
民法(総則)２巻 明治大学:神田英明 民法(物権)２巻 大阪市立大学:生熊長幸 民法(債権総論)２巻 法政大学:下森定 民法(債権各論)２巻 慶応義塾大学:武川幸嗣 民法(全体)２巻 明治大学:伊藤進
刑法総論①２巻 首都大学東京:亀井源太郎 刑法総論②２巻 立命館大学:松宮孝明 刑法各論①２巻 首都大学東京:前田雅英 刑法各論②２巻 青山学院大学:酒井安行
人間１個体がなし得る事には、自ずと、限界があります。
しかし、多くの人間が力を合わせ、連綿として意思を繋いでいけば、能と思える難事業も必ず成し遂げられます。。
今、ここに、１２名の侍が集結しました。
彼らは、法律学界の「柱」と呼ぶに相応しい、文字通り最高戦力の面々です。
この講義カセットは、彼らが編み出した独自の呼吸法を、余す所なく伝えてくれます。
是非、このカセットを手に取り、自己のアイデンティーと同一化するまで聴き込んでください。
※補足説明・各回の問題文と解説は全て揃っています。・定義集など他の付属品も、見た限りで揃っています。ただ、全部をくまなくチェックしていないので、欠落の可能性があります。この点はご容赦ください。














尚、あくまで品としての出品です。経年による劣化およびケース、外装、カセットに擦れや傷などがございます。神経質な方の入札は固くお断り致します。写真上の物が全てになります。落札後の問い合わせには一切お答えできません。質問は商品の落札前にお願い致します。現状での引渡しをもって契約内容に適合した債務履行とさせて頂きます。ノンクレーム・ノンリターンにてお願い致します。